『グローバル生産のための統合化部品表のすべて』
当情報アーキテクチャ専攻の教員の著書・訳書も取り上げていきたいと思います。第一弾は今月のInfoTalk#90で登壇いただいた戸沢教授の著書『グローバル生産のための統合化部品表のすべて ― BOM/部品表の一元管理法』です。
グローバル生産のための統合化部品表のすべて BOM/部品表の一元管理法
- 作者: 戸沢義夫,四倉幹夫
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2006/11/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書は、戸沢先生のIBM時代の仕事の成果をまとめ、2006年11月に出版されたものですが、戸沢先生に10年前に執筆した内容を思い出してコメントを書いてもらいました。
部品表(BOM: Bill of Materials)は製造業にとって基幹データベースです。メインフレーム・コンピュータが製造業に導入され、部品所要量計算を行うためには部品表は必須でした。業務アプリケーションのために必要なデータベースを構築するのは、昔のシステム開発では当たり前でした。データベースの価値は、業務アプリケーションを経由して得られるものという考え方が普通であり、データベースそのものの価値を議論する風潮はほとんどありませんでした。しかし、部品表は製造業のあまりにも中心に位置するため、非常に多くの業務アプリケーションで使われるものになり、複数の異なった部品表データベースが重複した情報を持つ事態になっていきました。これは、企業から見ると由由しきことで、業務アプリケーションから切り離して、製造業にとって必要な情報は何かを明らかにし、部品表で一元的に統合管理することの必要性が出てきました。新しい考え方で整理された統合化部品表は、企業内のコミュニケーションを支える基盤にもなります。
10年前の出版ですから、Amazonによればすでに絶版の模様ですが、図書館には複数冊の蔵書がありますので、興味があれば図書館で手にとってみてください。