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産業技術大学院大学(公立大学法人 首都大学東京) 情報アーキテクチャ専攻 Web版InfoPress [社会人大学院][東京都品川区][IT]

AIIT単位バンク(科目等履修生)2016年度第3-4学期募集

本学の第1学期(通称1Q)の授業は終わり、6/13月曜から第2学期が始まりました。この後、夏季休暇を挟んで10/3月曜から第3学期が始まります。まだ第2学期(2Q)が始まったばかりという感じですが、今回は第3-4学期の単位バンク生(科目等履修生)に関する話です。第3学期の授業開始は10/1ですから、3か月先とすこし先の話ですが、単位バンクの出願を余裕を持ってできるように、今年度から受付をすこし早い時期から受付を始めることにしました。また、来年の4月から入学が決まったの学生がすこし早めに大学に慣れようと、第3-4学期は科目等履修生として履修することも結構あります。

第3-4学期の開講科目

当専攻が第3学期及び第4学期に開講する科目は以下の通りです。これらの科目は、正規学生はもちろん、本学の科目等履修生制度を利用すれば、入学前であっても1科目単位で履修できます(事例研究型科目、PBL型科目等の一部の科目を除く)。

第3学期

  • インターネットプラットフォーム特論 月7・土3 成田 雅彦 詳細
  • 情報ビジネス特別講義1 金6・金7 六川 浩明 詳細
  • 情報ビジネス特別講義4 火7・木7 安井 和彦 詳細
  • ソフトウェア工学特論 火6・木6 嶋津 恵子 詳細
  • セキュアプログラミング特論 月6・土2 千代 浩之 詳細
  • 情報セキュリティ特別講義1 土4・土5 瀬戸 洋一 詳細
  • プロジェクト管理特論2 土1・録画 酒森 潔 詳細
  • スタートアップ戦略特論 土4・土5 酒森 潔 詳細
  • 経営戦略特論 土1・土2 松島 桂樹 詳細
  • コンセプトデザイン特論 水6・水7 新井 宏征・伊賀 聡一郎 詳細
  • 国際開発特論 土4・土5 前田 充浩 詳細
  • クラウドインフラ構築特論 水6・水7 山崎 泰宏 詳細
    (教室定員のため、科目等履修はできません)
  • 技術倫理 土1・土2 未定 詳細
    (教室定員のため、科目等履修はできません)
  • 事業アーキテクチャ設計 集中講義 戸沢義夫 詳細
    (事例研究型科目のため、科目等履修はできません)
  • ビジネスアプリケーション特別演習 集中講義 中鉢・吉岡・永瀬 詳細
    (enPit受講生限定)

第4学期

  • ネットワーク特論2 月7・土3 飛田 博章 詳細
  • セキュアシステム管理運用特論 土4・土5 真鍋 敬士 詳細
  • ビッグデータ解析特論 水6・金6 中野 美由紀 詳細
  • コミュニケーション技術特論2 月7・土3 中鉢 欣秀 詳細
  • 情報システム特論2 月6・土2 戸沢 義夫 詳細
  • オブジェクト指向開発特論 水6・金6 嶋津 恵子 詳細
  • 情報セキュリティ特別講義2 月6・土2 瀬戸 洋一 詳細
  • プロジェクト管理特論3 水7・金7 酒森 潔 詳細
  • 情報セキュリティ特別講義3 木6・木7 松尾 徳朗 詳細
  • ITソリューション特論 火6・火7 小山 裕司 詳細
  • 国際経営特論 土4・土5 前田 充浩 詳細
  • マーケティング特論 土4・土5 川名 周 詳細
    (教室定員のため、科目等履修はできません)
  • 情報技術者倫理 土1 前野 譲二 詳細
    (教室定員のため、科目等履修はできません)

科目等履修生にかかる費用は出願費用9,800円、1科目2単位あたり28,800円(1単位14,400円×2単位)です。通常の科目は15回の授業(講義あるいは演習)及び試験・レポート課題等で構成されます。第3-4学期の科目等履修生の出願の締切は9/15木曜です(第4学期の出願は11/15水曜締切でも可能です)。本学科目等履修生の出願及び履修申請の詳細は以下をご覧ください。

■ AIIT単位バンクのパンフレット http://aiit.ac.jp/admission/pdf/scholarship/h26_aiit_leaflet.pdf

修学の流れ

今年度の第2学期、当専攻では41名の学生が科目等履修生として履修しています(前年度からの継続25名、新規16名、うち継続2名、新規3名は両専攻共通科目のみ)。当専攻の入学定員は1学年50名(4月45名、10月5名)ですから、41名の科目等履修生は正規学生数に近い数です。ただし、科目等履修生の履修上限が年間12単位・6科目(正規学生は半期22単位11科目)ですから、履修者の半分が科目等履修生ということはありませんが、当専攻の普通の授業風景として、どの科目も数名の科目等履修生が履修していますので、ご興味がある科目があれば是非科目等履修生として履修してみてください。

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科目等履修生として修得した科目の単位は、AIIT単位バンク制度によって、入学後、既修得単位として認定され,認定単位数分の科目等履修生授業料は返還されます(1科目2単位を修得済みの場合の1年目の授業料は520,800円から科目等履修生授業料14,400円×2単位=28,800円を差し引いた492,000円)。科目等履修生として修得した単位は5年間有効です。AIIT単位バンクによる科目等履修生から正規入学、修了(学位取得)の流れは以下の通りです。

http://aiit.ac.jp/admission/img/lifestyle5.jpg

事前審査

本学を受験するには科目等履修生であっても、基本的に学士の学位(4年制大学の卒業)が必要です。しかし、高等専門学校、高等学校卒業等でも、出願資格の事前審査で実務経験等から大学卒業と同等と判断された場合は、出願を許可することがあります。同様に海外の大学の学位の場合も出願資格の審査が必要です。第3学期の出願資格の事前審査は9/5月曜です。出願資格の審査の詳細はご相談ください。受験資格に関しては以下もご覧ください。

入学試験 過去問題(小論文#1)

当専攻の入学試験では、受験生の皆さんが各自のポテンシャルを最も発揮できるように、複数の種類の入学試験を準備しています(小論文、面接・口頭試問等)。入学試験の過去問題もいくつか掲載したいと思いますので、受験にあたっての参考にしてください。平成26年度 入学試験 小論文では「オープンデータ」が出題されました。問題は実際の問題から公開にあたって若干改変しています。

平成26年度 入学試験 小論文

「オープンデータ」とは、誰でも自由に利用することができ、誰でも自由に再配布することができるデータのことである。科学技術の分野では以前からデータの公開が推奨されてきたが、インターネットの普及とオープンソースに代表される「オープン運動」の流れから、最近では「オープンデータ」という言葉が生まれ、特に行政データの公開に関連して議論がされることが多い。

2013年6月のG8サミットでは各国首脳が「オープンデータ憲章」に合意した。首脳宣言でも「開かれた政府データは情報時代に欠くことができない資源である」と言及されている。行政機関が保有する地理空間情報、統計情報等の各種データが公開され、広く活用されることによって、経済活動、情報流通、行政等にもたらされる効果及び先行事例が注目を集めている。

先行する行政機関では、公開データの活用を推進するための試みとしてアプリケーション開発のコンテストを開催する等の事例がある。ワシントンDCのApps for Democracyは2008年から開催され、多数のアプリケーションが生み出され、また50以上の行政機関で類似の試みが実行された。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cc/Open_Data_stickers.jpg

「オープンデータ」に関して、以下の(1)〜(3)の項目を考慮して、1,000文字程度の小論文を作成してください。各項目に対しては括弧で示された文字数を目安にして下さい。

  1. 行政データが公開され、活用されることによって、もたらされる効果にはどういうものがあるか(200文字程度)。
  2. データを自由に利用できるようにするためには、従来のデータの形式と利用条件の問題を解決する必要がある。「オープンデータ」以前の問題が何であり、「オープンデータ」ではこれらをどのようにすべきであるとしているか(400文字程度)。
  3. データが公開され活用されることによって、具体的にどのような効果が期待できるか(400文字程度)。提案でも実際の事例でもよい。

大学院説明会

入学試験の過去問題は大学院説明会でも配布されています。

AIIT起業塾#7(フィンテック、2016/8/28)

AIIT起業塾

AIIT起業塾は、IT・デザイン・マネジメント等を活用し、各種の産業分野で、新しい事業構築・問題解決を話題に議論する無料イベントです。起業経験者、○○×IT・デザイン・マネジメントの先駆者等のゲスト講師から情報・話題を提供していただいた後、参加者の皆さんとディスカッションを楽しみます。第7回を以下のように開催します。AIIT起業塾は開かれた無料の勉強会です。産業技術大学院大学の関係者以外の御参加も歓迎いたします。是非、御参加ください。懇親会(希望者のみ)は実費3,000円程度いただきます。

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起業塾#7(フィンテック / FinTech)

第7回のAIIT起業塾では、イノベーションの対象領域を「ファイナンス(金融)」に定めました。以前から金融領域でIT等のテクノロジーは積極的に活用されてきましたが、現在、さらに金融領域で新しいテクノロジーによるフィンテックと呼ばれる革新が起こりかけています。今回は実際の現場でイノベーションに取り組んでいらっしゃる先駆者からいろいろと興味深い話を聞き、ディスカッションを楽しみたいと思います。

  • 日時: 8/28日曜 13:00-
  • 場所: 産業技術大学院大学 秋葉原サテライトキャンパス(千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル 12 階)
  • 講演1: 長 稔也 氏=株式会社日立製作所金融システム営業統括本部金融イノベーション推進センタ部長
    Fintechの最新動向と金融機関へのインパク
  • 講演2: 岩田 太地 氏=日本電気株式会社FinTech事業開発室マネージャー
    ブロックチェーンの可能性と課題
  • 講演3: 富沢 真沙刀 氏=TIS株式会社決済ビジネス企画部主査
    Fintech×知的財産戦略
  • 講演4: マーク・マクダッド氏=マネーツリー株式会社取締役 兼 MT LINK開発責任者
    フィンテックの最先端技術、MT LINKの可能性
  • パネルディスカッション
  • 懇親会: 17:30-19:30(希望者のみ)

詳細及び参加申し込みは以下から御願いします。

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いままでの開催情報

AIIT起業塾は、平成26年度は1回、平成27年度は4回開催しました。昨年度までの開催記事を以下を参照してください。

起票塾#6「ファッションテック」は7/31日曜午後に開催します。

aiit-isa.hatenablog.com

事業アーキテクトコース

AIIT起業塾は、文部科学省「高度人材養成のための社会人学び直し大学院プログラム」として採択された「次世代成長産業分野での事業開発・事業改革のための高度人材養成プログラム」事業の一環として開催しています。同様に、同文部科学省事業の一環として、戦略」+「技術」を学ぶ「事業アーキテクト」コースを昨年度(平成27年度)から新規に設置しました。

PBLキャンプ 2016/9/23-25等

本学は開学時からPBL教育に積極的に取り組み、独自の教育メソッドを構築してきました。

また昨年度から、IT及びマネジメントを駆使し、事業開発を実践できる人材の養成のために、「戦略」+「技術」を学ぶ「事業アーキテクト」コースを新規に設置しました。

PBLキャンプ

これらの取り組みの一環として、事業アーキテクトコースのPBL教育の充実を目的にして、昨年度の年末に短期集中型のPBLキャンプを開催しました。

  • 日時: 2015/12/19土曜(品川シーサイドキャンパス)、12/25金曜 - 27日曜(ホテルKSP、2泊3日)、2016/1/16土曜(品川シーサイドキャンパス)
  • 講師: 釼持 勝 学 氏=イーリゾート、原 亮氏=株式会社CCL
  • 場所: ホテルKSP(神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1)http://www.hotel-ksp.com/
  • 参加者: 10名程度
  • 内容: アイデアソン
    東京オリンピック招致と商店会活性」という課題に対し、 下北沢及び三軒茶屋でフィールドワーク等で課題を発見し、問題の根底・根源まで理解し、解決案を提案・議論しました)

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今年度のPBLキャンプ

今年度のPBLキャンプは以下の通り開催します。

  • 日時: 2016/9/23金曜 - 25日曜(2泊3日)、このほかに前後に品川シーサイドキャンパスでの事前、事後の授業あり。
  • 講師: 佐藤 学 氏=サイボウズ株式会社、ゲスト講師
  • 場所: ホテルKSP(神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1)http://www.hotel-ksp.com/
  • 対象: 原則、本学正規学生(希望者が定員を上回った場合には、事業アーキテクトコースに所属する可能性の高い学生を優先します)。
  • 定員: 15名程度
  • 参加費用: 無料(ただし、交通費及び食事代は実費負担)
  • 内容: アイデアソン及びハッカソン
    フィールドワーク等で課題を発見し、問題の根底・根源まで理解し、IdeaHub等を活用し、解決案を提案し、ソフトウェアを開発し、評価を議論する。IdeaHubはアイデアを蓄積・協創するためのアイデア集約プラットフォームです(当情報アーキテクチャ専攻の小山研究室のPBL開発)。

詳細及び申し込みは本学ポータルサイトグループウェア)に掲載されている募集要項を参照いただき、8/14日曜までに申し込みをしてください。

機関別認証評価

認証評価に関する記事

2chまとめサイトに以下の記事がありました。

源の記事はBusiness Journalのこちらです。

本学の認証評価に関しては以下のように取り上げたことがあります。

認証評価の種類

再度、認証評価に関して整理したいと思います。文部科学省が定める大学の認証評価には2種類あります。高等専門学校はいわゆる高専のことで、専門学校(専修学校)等のことではありません。

文部科学省Webサイト http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/012/gijiroku/06051204/003.htm

したがって、本学は7年以内ごとに機関別認証評価と、5年以内ごとに分野別認証評価の両者を受審する必要があります。

機関別認証評価

Business Journalの記事の内容は日本高等教育評価機構に対する質問状の内容が公開され、興味深いのですが、以下の表現は若干違う気がしました。

現在、認証機関にはJIHEEと大学基準協会があり、前者は主に多くの私立大学、後者は同じく国公立大学及び有力な私立大学の評価を行っている。

現在、文部科学省が認めた機関別認証評価機関は以下の3機関です。

大学評価・学位授与機構は名称が2016年から大学改革支援・学位授与機構に変わった模様です(最初は単に学位授与機構でした)。各Webサイトは以下の通り。

大学基準協会 ■大学改革支援・学位授与機構 日本高等教育評価機構

分野別認証評価の認証機関は分野別に約20の機関があります。

また、国公立大学の多くは大学基準協会では無く、大学改革支援・学位授与機構で機関別評価を受けている模様です。

大学基準協会の評価結果一覧(検索可) ■大学改革支援・学位授与機構の評価結果一覧(検索可) 日本高等教育評価機構の評価結果一覧(検索可) http://www.jihee.or.jp/achievement/archive_year/

本学が大学基準協会と大学改革支援・学位授与機構のどちらで受審するかを決めるために調査したときは、受審大学リストはどっちもどっちだった気がしますが、こうしてみるとだいぶ偏ってますね。

本学の機関別認証評価

本学は、平成24年度に1回目の機関別認証評価を大学改革支援・学位授与機構(当時は大学評価・学位授与機構)で受け、無事「適合」評価をいただきました(改善を要する指摘2件あり)。

平成31年までに2回目の受審を受ける必要があります。

情報アーキテクチャ専攻 案内資料(大学院説明会#1 2016/6/25)

今日6/25土曜は、今年度の第1回目の大学院説明会でした。たくさんのご参加ありがとうございました。今日の個別相談は、瀬戸先生と松尾先生に御願いしていましたが、小山先生と飛田先生に残っていただき、嶋津先生、飛田先生、慎先生、2年次の殷さんにも手伝っていただいたぐらい盛況でした。

今日の資料

今日の情報アーキテクチャ専攻の資料はこちらです。

こちらも御覧ください。

今後の大学院説明会

今後の大学院説明会の夏期の開催日程は以下をご覧ください。平日の夜の開催も、土曜の午後の開催もあります。

次は7/6水曜19:30(平日の夜)に開催します。次回の個別相談は戸沢先生と嶋津先生、専攻の説明は小山先生、入試要項説明は飛田先生が担当します。 傾向としては、平日夜は土曜午後ほどは参加者が多くありませんので、しっかりと相談したいときは平日夜のほうがいいかもしれません。

今年度のPBLの概要

昨日書いたように本学は4学期ですので講義・演習科目は第1学期(1Q)が6/12で終わり、第2学期(2Q)が6/13から始まります。

しかし、PBL型科目だけは前期(本学でいうところの第1-2学期)、後期(第3-4学期)の科目です。

PBL成績判定会議

したがって、正規の成績は前期・後期にしたがって、2Q終了時と4Q終了時に評価するのですが、当専攻では1Q終了時と3Q終了時にも暫定の成績評価を行います。評価の手順は以下に書いた正規の成績評価と変わりませんが、この暫定の成績は、専攻として今後の学生の指導を適切に行い、また問題がある学生に早めに対処するために行うもので、評価結果は教員から各学生に開示されることもありますが、成績の記録としては残りません。1Qの成績判定会議は6/22火曜に行われました。

PBL検討部会

今日6/24金曜は外部委員参加によるPBL検討部会がありました。当会議は、本学のPBL教育に対する外部の意見を聞くために年に数度開催され、今回は昨年度のPBLの成果、今年度のPBL、今後のPBLの内容に関する意見交換が行われました。今年度は当専攻としては10年目のPBLですが、最初はPBLという言葉しか無い状態だったものの、単にプロジェクトを実行するだけでは無く、教育効果を高めるための教育メソッド、また到達目標、修得できる知識・スキル、評価のための基準等を設計、確立してきたことを振り返りました。

今年度のPBLの概要

今回の会議にあたり、今年度のPBLの概要及び現状を簡単にまとめた資料を作成しましたので、折角ですから、以下に掲載します。

■事業開発・事業改革のための情報システム(ソフトウェア)の開発

小山 裕司 教授(5名)
概要: 今年度はシステムアーキテクト1名、テクニカルスペシャリスト2名、事業アーキテクト2名の計5名の体制である。新規事業の立ち上げを想定し、ITを活用することで医療、飲食等の次世代成長産業分野での既存の仕組みの改革を提案し、実際に情報システム開発(提案・設計・ 実装・運用等)を一般公開できるレベルで実行し、効果を実証実験によって検証する。この取り組みを複数回繰り返す。今年度から事業アーキテクトが参加し、事業構築を想定した取り組みを期待している。現在(1Q)は、第1のプロジェクトとして、100以上の企画提案の結果、アイディアを蓄積・協創するための(IdeaHub)の開発及び事業立ち上げを進めている。

■大規模プロジェクトマネジメント模擬実践と研究

(飲食業におけるプロジェクトマネジメントの実践とプロジェクトケース事例研究)
酒森 潔 教授(6名)
概要: 本年度のメンバーはプロジェクトマネージャ5名と事業アーキテクト1名である。募集時からプロジェクトマネジメントの実践学習をすると宣言し、例年通り前半は模擬プロジェクトの実践、後半はチームメンバーによる自主テーマの実施をおこなっている。PBL活動は毎週水曜と土曜のコアタイムを中心に、模擬プロジェクトで作成する各種プロジェクト文書を全員がいったん宿題として作成して持参し、コアタイムではそれを元に議論するという方法で進めている。進め方の情況は、毎回開始時には個人の当日の目標宣言、事前に作成したタイムチャートによる実施管理、議事録の作成とラップアップ、最後にKPT手法による振り返りという手順で行われ、遅刻欠席はほとんどない。活動の質という点では、今年のメンバーは大手商社やプロバイダーの現役のPMであり、模擬プロジェクトの発注者と受注者役に別れ例年以上高いレベルでの活発な議論ができている。

■システムズエンジニアリング標準に準拠したシステム開発

嶋津 恵子 教授(4名)
概要: 3名がプロジェクトマネージャ、1名がテクニカルスペシャリストの4名体制(システムズエンジニアリング標準が目指すシステムアーキテクトを選択している学生は不在)。今年度はホッピング通信方法を利用した山岳遭難救助支援システムの試作品完成を目指している。システムズエンジニアリング標準を基盤としていることから、コンカレントエンジニアリングとモデルベースエンジニアリングを実践する。

■マルチステークホルダープロセスによるプライバシーリスク評価技法の開発

瀬戸 洋一 教授(5名)
概要: 今年度は、PM経験者1名、Webアプリ開発技術者1名、無線LAN設置技術者1名、システム運用技術者1名、新卒留学生1名の体制でPBLを進めている。オリンピックにおける都市の安全安心を目的に多目的ネットワークカメラシステムのマルチステークホルダープラセスによるプライバシー評価の技法の開発と実証を行う。特にセキュリティ、プライバシーを専門とする技術者はいない。このため、1Qは個人情報保護法、リスク評価等の基本技量の修得を目的に活動を実施した。現在警察庁、産業界による委員会を設置しプロジェクトを推進し、学生の活動を委員会と連携・貢献し進めている。2Qから想定システムへのプライバシーリスク評価およびマルチステークホルダー理論の構築に着手した。例年に比べ、遂行能力が不十分な学生が多く、基礎学力、コンピテンシーの取得の仕方等基本に重点を置いた指導となっている。

アジャイル開発のためのスキルセットの獲得

中鉢 欣秀 准教授(6名)
概要: 明確な分類は難しいが、概ね、システムアーキテクト3名、テクニカルスペシャリスト3名の計6名の体制であり、日中韓の混合チームである。本PBLの成果とは「学生自身の成長」であると明確に定義し、学生が能動的にアジャイル開発(スクラム)のスキルセットを獲得することを狙う。チーム活動では振り返りを重視し、自ら課題を発見して自ら改善することで自己組織化する方法を学んでいる。これらを主目的としつつ、具体的な成果物としてはWebアプリを開発している。開発技術としてRuby on Railsを用いており、GitHubTravis CI、Heroku等のクラウドサービスを積極的に活用したモダンな開発スタイルを取り入れている。最終的には多くのユーザの獲得が見込める有用なサービスの開発を行いたい、というのが本年度の学生が設定した目標である。

■情報戦略と業務改革(BPR)提案

戸沢 義夫 教授(6名)
概要: 今年度はストラテジスト3名、事業アーキテクト3名の計6名の体制である。PBL 協力企業の業務内容を理解し、潜在する課題を抽出し、業務価値を生み出すための業務改革(新しい仕事の仕方)、情報戦略(ITの活用)を提言することを目標している。今年度の前期の協力企業は大手SIerである。社長等のトップマネジメントとの直接のやりとりを実践し、マネジメントの考え方、関心事を理解したり、新しいアイディアを提案した場合の相手の反応から、提案内容の良し悪し、次に行うべき活動等をダイナミックに判断したりする協力企業との密接で直接のディスカッションが特徴である。

■ヒューマンコンピュータインタラクションシステム
飛田 博章 准教授(6名)
概要: ソフトウェアとハードウェアを融合したヒューマンコンピュータインタラクションシステムの開発を行う。事例を調査し、アイディアを創出し、実装する過程を通じて、今後の人間とコンピュータの関わりを予測し、実現する人材の育成を目指す。現在は、各自が頭部搭載型のウェアラブルバイスをデザインし、実装しながら、ソフトとハードが融合したものづくりを実際に体験し知見を深めている。また、単なるプロトタイプの実装だけでなく、対外的な発表を視野に入れ学会発表や各種コンペへの出典を予定している。

■デバイスと融合したクラウド上のサービスの企画/戦略立案
成田 雅彦 教授(6名)
概要: 今年度はテクニカルスペシャリスト6名の体制である。新デバイスとネット上のサービスを融合した企画/戦略立案を行い、それに基づき試作/対外活動/評価を行い、企画案へのフィードバックを得る。この活動により製品の企画に必要なスキル獲得を目標としている。1Q現在、参加者合計120件のアイディアを出し、その中から各自1件の提案を行った。結果、2つの案に絞り、ブラシュアップを行っている。2Q末までに第一次試作の完了を目指している。

ビッグデータ時代のユーザフレンドリーシステムの研究開発

中野 美由紀 教授(6名)
ビッグデータ時代の今、革新的な技術が企業、大学を問わず、生み出されています。それらの先端的な技術を一早く見出し、理解し、様々なユーザのニーズ、市場のトレンドを踏まえて、ビッグデータ時代の新しいサービスを実現するシステムの提案、プロトタイプの開発を行っていきます。ビッグデータ解析、IoTとしてのWebデータの利用等を前提に、新しい技術を探り、理解し、ユーザにとって魅力的なアプリケーションを提示するための能力(研究動向の調査、研究課題の設定、問題解決方法の提案、提案手法の実装、手法の有効性評価)の修得を目指します。

■サービス提供のための業務管理支援とその実現手法に基づいたシステムの構築と運用

松尾 徳朗 教授(2名)
概要:今年度はシステムアーキテクト2名の体制である。今年は、コンベンション等のイベント経営を支援する学会や非営利の組織の会員管理システムの構築に取り組んでいる。具体的に、国内外の学協会の会長、観光協会コンベンションビューロー日本政府観光局等からの協力を受け、小中規模の組織支援を実現できるビジネスプロセスに基づいたシステム構築、およびそれを用いたビジネス化を狙っている。現在は、プロトタイプが完成し、海外のアソシエーションへの英語でのインタビュー、国内アソシエーションでのシステムの試用の段階にあり、松尾PBLチームはこれらの活動を基盤とした社会貢献を果たすべく活動している。

■アジアに対する新たな中小企業投資イニシアティブの政策提言(仮題)

前田 充浩 教授(情報アーキテクチャ専攻から3名)
(創造技術専攻と一緒のPBLであるため省略)

2016年度第2学期開始

本学は4学期制ですので、約2か月(8週間)で1学期が終わります。このため、すでに第1学期が終わり、先週の月曜6/13から今年度第2学期(通称2Q)が始まっています。これも社会人が短い時間で効率的に集中して学ぶための仕組みです。今年度は第1学期(通称1Q)と第2学期の間に休みが無いので、第1学期が終わり、すぐに第2学期が始まったので、だいぶ慌ただしい感じでした。

第2学期の開講授業授業

当専攻が第2学期に開講する科目は以下の12科目及びPBL型科目です。

第1学期の成績

第1学期の成績は昨日6/22水曜16時より開示されました。学生の皆さんはオンラインで成績を確認できます。成績開示後には教員面談が設定されます。成績が普通以上であれば今後のキャリア等の雑談程度で終わりますが、概ね成績3以上が6単位3科目未満のときは、次年度のPBL履修が難しい恐れがあるので、今後の学修をどのようにするかをまじめに相談する必要がでてきます。PBLの履修条件は22単位ですが、当専攻では修了要件に相当する28単位の修得を推奨しています。28単位あれば、2年次のPBL科目の12単位で、修了要件の40単位を満足します。

第2学期の履修手続き

第2学期の履修科目は4月に第1学期の履修科目と一緒に申請をしていますが、第2学期の最初の2週間、要するに第1学期の成績が開示された後でも、第1学期の結果を考慮して履修科目を修正することもできます。今年度の第2学期の履修修正の締切は6/26日曜24時です。

『グローバル生産のための統合化部品表のすべて』

情報アーキテクチャ専攻の教員の著書・訳書も取り上げていきたいと思います。第一弾は今月のInfoTalk#90で登壇いただいた戸沢教授の著書『グローバル生産のための統合化部品表のすべて ― BOM/部品表の一元管理法』です。

グローバル生産のための統合化部品表のすべて BOM/部品表の一元管理法

グローバル生産のための統合化部品表のすべて BOM/部品表の一元管理法

本書は、戸沢先生のIBM時代の仕事の成果をまとめ、2006年11月に出版されたものですが、戸沢先生に10年前に執筆した内容を思い出してコメントを書いてもらいました。

部品表(BOM: Bill of Materials)は製造業にとって基幹データベースです。メインフレーム・コンピュータが製造業に導入され、部品所要量計算を行うためには部品表は必須でした。業務アプリケーションのために必要なデータベースを構築するのは、昔のシステム開発では当たり前でした。データベースの価値は、業務アプリケーションを経由して得られるものという考え方が普通であり、データベースそのものの価値を議論する風潮はほとんどありませんでした。しかし、部品表は製造業のあまりにも中心に位置するため、非常に多くの業務アプリケーションで使われるものになり、複数の異なった部品表データベースが重複した情報を持つ事態になっていきました。これは、企業から見ると由由しきことで、業務アプリケーションから切り離して、製造業にとって必要な情報は何かを明らかにし、部品表で一元的に統合管理することの必要性が出てきました。新しい考え方で整理された統合化部品表は、企業内のコミュニケーションを支える基盤にもなります。

10年前の出版ですから、Amazonによればすでに絶版の模様ですが、図書館には複数冊の蔵書がありますので、興味があれば図書館で手にとってみてください。

InfoTalk#91「PMBOK第6版の動向と日本的プロジェクトマネジメント」(2016/7/15)

InfoTalkは,ICT関連の熱い技術,面白い活用等を取り上げ,いろいろと議論したりする場(勉強会&交流会)です。2008年の12月の第1回から第三金曜に定例で開催してきました。来月7月の第91回は、当専攻の酒森教授に「PMBOK第6版の動向と日本的プロジェクトマネジメント」と題して講演をしていただきます。PMBOKはProject Management Body of Knowledgeの略で、プロジェクトマネジメントの知識体系に相当します。現在の最新は2013年1月に発行された第5版(日本語版は2014年2月)ですが、 現在、第6版(英語版)が準備されています。今回はこの第6版の動向と、日本的プロジェクトマネジメントに関する講演です。

概要: プロジェクトマネジメントのグローバル標準であるPMBOK®ガイドは、本年末までに第6版がリリースされる予定である。改定の理由はABSIの規定であることはもちろん、プロジェクトマネジメントの技術の進歩、さらに地球規模で多様な文化の違いに合わせたとされている。今回は、まず第6版の改定の概要について、PMI Congress EMEA2016で紹介された内容をフィードバックする。またPMBOK®ガイドと日本的文化についてどのような点が考慮されており、どのようなところに違いがあるのかについて解説する。

参加申し込みは以下から御願いします。

InfoTalkは開かれた無料の勉強会です。産業技術大学院大学の関係者以外の御参加も歓迎いたします。是非ご参加下さい。懇親会(希望者のみ)は実費1,000円いただきます。

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