授業動画視聴の仕組み
授業のインターネット配信
先週は火曜6/28に本学でも活用している「AWS Educate」の最新情報を聞きに目黒にいったりしていたのですが、インターネット界隈では、AWS Educateでは無く、Amazon Inspire(無料の教材プラットフォーム)のほうがはるかに話題でした。
教育へのインターネット活用をいくつか取り上げてみたいと思います。古くはMITのOCW、最近ではMOOCが有名です。OCWは教材(シラバス、授業資料スライド、授業ノートから最近では授業動画等)の公開であったのに対して、MOOCは授業の履修認定を行い、最終的には大学の卒業(学位の授与)までが構想です。AppleはiTunes Uで、GoogleはYouTube EDUで教材をインターネットで配信する取り組みをを行ってます。
OCW: OpenCourseWare
- 2001年: MIT OCW構想の発表(2007年までにすべての講義を公開する)
- 2003/09: MIT OCWサイト開設 http://ocw.mit.edu/
- 2005/05: 大阪大学・慶応義塾大学・京都大学・東京工業大学・東京大学・早稲田大学 OCWサイト開設
- 2006/04: 日本OCWコンソーシアム設立
MOOC: Massive Open Online Cource
- 2012年: Coursera,edX,Udacity,Future Learn
- 2013/10: JMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)設立
iTunes U(ダウンロード型)
- 2005/10: iTunes 6.0 動画の取り扱い開始
- 2006年: 非公開版のiTunes U実験(Duke Univ.等)
- 2007/05: 公開版のiTunes U公開(Stanford Univ.等)
- 2012/01: iBook Author及びiOS版のiTunes Uアプリケーション公開
YouTube EDU(クラウド・ストリーミング型)
ほか
- 2002/12: WIDE University, School of Internet
- 2009/03: Academic Earth
授業動画のオンライン視聴
本学では、以下の《授業動画のオンライン視聴》のところにも書いたように、2006年の開学以来、演習等の一部を除く、すべての講義を録画し、在学生、修了生及び教職員がインターネット経由で学内外から、いつでも、どこでも(Anytime、Anywhere)視聴できる環境を提供しています。修了生も、Knowledge Home Port制度によって、大学院修了後も10年間最新の授業動画を無料で視聴することもできます。
授業動画の視聴は、授業内容の復習をするための活用が第1であり、理解が不足する箇所の確認をしたり、試験、課題のための勉強をしたりするのに使われることが多いが、以下に挙げる目的でも使われています。
- 欠席時の補習
- 未履修科目の聴講
- 履修登録前の参考
- 修了生の継続学修
- 教員間の相互参観
2006年当時は、視聴環境はWIndows・Internet Exploreのみで、また稼働不安定であったり、教員の負担もあったりというの仕組みでしたが、次第に改善を図り、2012年ごろには視聴環境はWindows及びMacOS上のIE、Firefox、Safariに広がり、安定に稼働し、教員負担も軽減できました。
しかし、配信手段はストリーミング型であり、動画視聴中は常にインターネット接続が必要でした。
ダウンロード型動画視聴のiOSアプリケーション
2013年にが、ダウンロード型動画視聴のiOSアプリケーションを準備し、スマートデバイス上に授業動画をダウンロードして視聴できるようにしました。 多くの社会人学生は仕事と修学の両立に苦労し、修学に使うことができる時間が限定されていますが、これによって、通勤、通学、出張等の時間を有効に活用することができます。
- 《スマートデバイス対応》
iPad、iPhone等のスマートデバイスが急速に普及してきましたが、これらのデバイスに対応すればPCの前に座る必要が無いため、就寝前等、手軽に視聴することができます。 - 《ダウンロード型》
ストリーミング型の場合は、飛行機、地下鉄等のインターネット接続が無い環境では視聴出来ません。ダウンロード型であればどこでも視聴できます。
■ iPad版(再生画面)
■ iPhone版(科目選択画面)
スマートデバイスもストリーミング型でよければ従来の仕組みで実現できました。また、ダウンロード型もコンテンツを一般公開してよければ、iTunes U等の既存の汎用製品のダウンロード型動画視聴iOSアプリケーションがいくつもあります。しかし、視聴権限を在学生・修了生・教職員に限定し、またYouTube等の動画公開サイトへの転載を制限したい等の本学の事情によって、当時は独自開発のアプリケーションとして開発しました。最近では、iTunes U等でも視聴権限を細かく設定できますし、MOOC等との連携とか、Amazon Inspire等のプラットフォームの活用とかも今後の課題ですが、いまのところはこういう環境です。次第に環境を改善していっていますので、修了生の皆さんもKnowledge Home Port制度を是非ご活用ください。
また、当iOSアプリケーションは当情報アーキテクチャ専攻の科目のみ利用可能です。
参考文献
以下に関連するドキュメントを列挙します。